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2019.11.13

心臓病の犬に負担をかけないドッグフード選びのコツまとめ

心臓病の犬に負担をかけないドッグフード選びのコツまとめ

高齢犬や小型犬で多いと言われている病気の一つが、心臓に関するものです。普段から健康には気をつけている方が多いですが、実際に犬たちが心臓疾患になってしまったら、飼い主目線ではどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか?
犬たちの体調の変化を感じ取ったら、改めて犬たちとの暮らしを見つめなおしてみましょう。ドッグフード選びを見直すことなどが、犬たちのQOL(Quality Of Life)を向上させるきっかけになるかもしれません。犬の健康管理をしっかりと行っていくためにも、飼い主が自宅でできるちょっとした気遣いをご紹介します。

犬に多く見られる心臓病の種類とは?


犬の心臓疾患は非常に多くあります。その中でも、老犬や小型犬は「僧帽弁閉鎖不全症」という心臓病になりやすいと言われています。この心臓病は「僧房弁逆流」「心臓弁膜症」とも呼ばれており、キャバリアやチワワなどに多いことが知られている疾患のひとつです。心臓の弁がうまく締まらないことにより血液の循環が悪くなる病気で、心臓の左心房と左心室の間にある僧房弁という弁の異常によって引き起こされると考えられています。

「僧帽弁閉鎖不全症」は、早期の発見をすることが大切になってきます。そのためには、犬たちの心雑音を早めに検知することがポイントになります。犬たちの健康診断では、ぜひ獣医師さんに聴診器などで心臓の音を確認してもらうようにしましょう。
詳細な検査を行う場合、心臓の超音波検査をすることになります。健康診断にこの超音波検査をいれている病院もあるので、心臓疾患が遺伝的に多いといわれている犬種たちの場合は、定期的な健康診断に組み込むのもひとつの手です。

では、心臓疾患によって血液を充分に送れなくなるとどうなるのでしょうか?

運動が困難になり、腎臓や肝臓、腸にも負担がかかると言われています。そして心臓に血液がたまり、血液でパンパンになって膨らむので「心臓が大きくなっている」「心臓肥大が気になる」など獣医さんに言われるようになります。
早期発見によって進行を遅らせることもできるようなので、なるべく早く犬たちの異変に気がつけるようにしたいですね。

犬の心臓に負担をかけない食事、ドッグフードの選び方


犬の心臓疾患の原因は先天性や遺伝的な要因が大きいですが、運動不足やストレスなどが病気の進行に影響するケースもあるようです。

一般的に、心臓病が疑われる場合には食事は低脂肪食・低カロリー食を意識するよう指導されることが多いです。シニア犬になると犬は運動量が低下し、代謝も落ちるため太りやすくなるといわれています。体重が増えることによって、心臓に普段がかかるだけではなく、関節を痛めやすくなるので、シニア期の犬たちの総合的な健康を考える意味でも太らせすぎないことが大切です。

また、ドッグフードに含まれるナトリウムの量に注意しましょう。心臓病が疑われるときには塩分を制限した食事を勧められることも多いです最近では、塩分の制限をすることを目的とした、塩分の代わりに犬たちが旨みを感じるアミノ酸などの成分を使用し嗜好性を上げているレシピのドッグフードも作られているので、活用してみるのも良いですね。

心臓に配慮したドッグフードを選ぶのであれば、選択肢としてシニア犬向けのものの中でも低脂肪、低ナトリウムのドッグフードを軸に探してみるのがオススメです。

犬の心臓病との付き合い方 肥満に注意!

肥満は、さまざまな体調の悪化の原因となります。犬を太らせないためには、ドッグフードをはじめとした毎日の食事管理が大切です。

■食事から摂取するカロリー、栄養バランスを見直す

犬たちの中にはごはんが大好き!という犬も少なくはありません。犬たちの要求に応えていたり、選り好みに付き合っていると年齢や体重に合った食事の適正量を超えてしまうことがあります。
犬たちはその時その時の状況によって、必要となるエネルギー量や栄養バランスは異なります。細かく分けると、春夏秋冬で犬たちの体が要求する栄養やカロリーは変化するものです。
病気の療養中などはその栄養バランスを取ることはより難しくなるので、犬の種類や年齢、そのときの体調などの要素からウチの子に合ったドッグフードを信頼できる獣医師と一緒に考えてみましょう。
いきなりドッグフードを変更したり、無理に食事の量を減らすと犬たちはお腹を壊してしまったり、体調を崩すこともあります。

■おやつは与え方も含めて見直す

犬たちにとっておやつは楽しく、嬉しいものです。飼い主との大切なコミュニケーションのひとつでもあります。ただ、犬たちのおやつも立派な食事。療法食などを与えている時には、栄養バランスやカロリー調整を行うことが難しくなるため、おやつを与えることは推奨されていません。
どうしても与えたい、という時には獣医師と相談するか、主食として与えているドライフードの量を減らし、同じドッグフードを数粒おやつ感覚で食間に食べさせるなどの工夫が必要です。

おわりに

犬と暮らしていると、我が子かわいさから知らず知らずの内にオヤツをあげすぎたり、食事の量を増やしてしまっていたり。犬たちの体調に変化が現れてから「もっと○○しておけば良かった」と気がつくことも少なくありません。
特に、心臓病に関しては早期の発見と食事内容、生活習慣の見直しによって進行をある程度まで遅らせることができるとも言われています。犬たちの些細な変化のサインや、身の回りから実践していける対策などを知っておくことが犬たちとの暮らしの助けになっていくはずです。