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2023.01.26

ドッグフードの白米&玄米、アレルギーや消化は大丈夫?お米が入ったドッグフードピックアップ

ドッグフードの白米&玄米、アレルギーや消化は大丈夫?お米が入ったドッグフードピックアップ

ドッグフードに関する情報を調べると、本当のことか判断しにくい情報や、不安を煽るような情報を見かけることも多くあります。「もしかして、これまで与えていたドッグフードは質が悪いものなの?」と心配になってしまう方もいるようです。
多くの飼い主さんが心配になってしまうような情報の中から、今回は「犬にお米を与えるのはよくない」という意見について、ペット栄養管理士が考えます。
また、ポチで扱うプレミアムドッグフードの中にも"あえて"白米や玄米を使用しているフードもあります。その意図はどのようなものなのでしょうか?

ドッグフードの原材料としての米の特長

ドッグフードに使用される原材料として、白米や玄米にはどのような特長があるのでしょうか。

お米のドッグフードの原材料としての特長は以下のようなものがあります。

・植物性のタンパク質が含まれる
・玄米には水溶性の食物繊維が含まれる
・速やかにエネルギーに代わるデンプンを含む
・(好みにもよるが)比較的嗜好性が高い
・玄米にはミネラル類も豊富に含まれる

 

■植物性タンパク質

お米には植物性のタンパク質が含まれているのですが、大豆に含まれるタンパク質と互いにアミノ酸を補い合う関係になっています。

注目されているのは、お米に含まれるタンパク質を構成するアミノ酸。

実は、犬の必須アミノ酸には桶の法則と呼ばれる法則があります。9種類のアミノ酸をたっぷり含む食事を食べたとしても、1種類の必須アミノ酸が僅かしか含まれていなければ、実際に吸収されるのは最も少ないアミノ酸に合わせた量だけ。とても効率が悪くなってしまうのです。

ですから、畑のお肉とも呼ばれる大豆には、豊富なアミノ酸が含まれている一方、米のようにアミノ酸バランスを補い合う食品と一緒であるのが理想的。このことから、米は大豆などを主タンパクとしているベジタリアンドッグフードなどでよく使われています。

 

■デンプン

お米と言えば、やはりデンプン。体内で速やかにエネルギーに代わる栄養素です。
デンプンの分子を見てみると、エネルギーに効率良く還元されることで知られているブドウ糖が長く鎖状に連なって構成されています。ひとつひとつのブドウ糖の形になれば、スムーズにエネルギーとして使用されるのですが、細かくブドウ糖の状態に切ることができなければ、消化不良になり体調を崩す原因となります。
この長い鎖状の結合の力は非常に強く、犬など穀物の消化に長けていない動物は、デンプンを上手に分解できず、消化が難しいと言われているのです。

では、犬はお米のデンプンを消化できないのでしょうか?
そうではありません。お米を炊くように、水と一緒に加熱することでデンプンはアルファ化処理されることで、分子の結合を崩し、消化吸収されやすい状態にすることができます。この、アルファ化された米であれば犬たちもスムーズに消化吸収できるのです 。
人間でもお米は炊いて食べるものとなっていますが、これもアルファ化した状態が消化吸収に優れているから。人間であっても生の状態の米を大量に食べることで消化不良を起こします。
デンプンを含む食材が加熱処理され、デンプンの分解効率を良くした状態を、アルファ化と呼び、その処理が施された米などはアルファ化米と呼ばれたりします。昔なつかしの「ポン菓子」なんかもアルファ化したものになります。

 

■嗜好性が高い

これは好みの問題もあるのですが、ポチのスタッフ犬の間では白米や玄米は人気のある食材です。中には、白米に溶き卵を混ぜた「卵がけごはん」が大好物という子や、鮭のほぐし身が入ったおじやが大好物という子もいます。

一体どんな部分が犬の興味を引くのかは分からないのですが、大型犬~小型犬までお米が入っているウェットフードが好き、という子は意外と多いように思います。

POCHIではこれまでお米を使った手作り食もたくさんご紹介していますので、そちらもぜひ参考にしてみてください。

→お米を使ったレシピ一覧

 

■玄米にはミネラル類も

白米よりも栄養が豊富なのが、玄米。玄米にはマグネシウム、カリウム、マンガン、リンなどのミネラルも豊富に含まれています

玄米ごはん100g中に白米ごはんの2倍以上の量が含まれているのが、カリウムとマンガンです。カリウムはナトリウムと細胞を保つ働きがあり、マンガンは酵素の活性化にかかわるほか、骨の形成などにも関与しています。また、リンも歯や骨の発達にかかわる栄養素です。
これらのミネラル類は手作り食などでは不足しやすい栄養素。手作り食を続けているのであれば、適度に玄米を取り入れることで栄養サポートになるかもしれません。ただし、リンに関しては腎臓に不安がある子はある程度の制限が必要になるケースがあります。

それから、食物繊維に関しても玄米の方が白米よりも豊富に含まれています。

また、玄米には、白米に比べてビタミンB1やビタミンB6、葉酸といったビタミンB群も豊富。
とくにビタミンB1は、文部科学省の食品成分データベースによると玄米ごはん100gあたり0.16mg含まれており、これは白米ごはんの約8倍にあたります。
このように玄米にはビタミンB群は多く含まれている一方で、ビタミンAやビタミンD、ビタミンK、ビタミンCなどのビタミンは不足しているため、やはりバランスのよい食事が求められます。

白米、玄米を使ったドッグフードピックアップ

嗜好性◎!玄米入りの総合栄養食ウェットフード!

POCHI ザ・ドッグフード ウェット 鶏むね肉とレバーのランチ 80g

主原料 チキン、チキンレバー、鶏脂肪、玄米、ニンジン、カボチャ、トマト
保証分析値 タンパク質 8.0%以上、脂質 5.6%以上、粗繊維 0.1%以下、灰分 0.9%以下、水分 78.5%以下、ナトリウム 0.14%、カリウム 0.26%、カルシウム 0.18%、マグネシウム 0.04%、リン 0.14%、代謝カロリー100kcal/100g

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POCHI ザ・ドッグフード ウェット 鹿肉とレバーのランチ 80g

主原料 鹿肉、チキンレバー、玄米、大豆プロテイン、ヒマワリ油、ニンジン、カボチャ
保証分析値 タンパク質 9.0%以上、脂質 4.3%以上、粗繊維 0.1%以下、灰分 1.4%以下、水分 78.0%以下
代謝カロリー 93kcal/100g

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POCHIのザ・ドッグフードシリーズの鶏むね肉とレバーのランチと鹿肉とレバーのランチのウェットフード2種類は、いずれも玄米入り。
噛む力が衰えた犬にも優しい柔らか食感のレトルトで、玄米が入ることで食べ応えもアップ。消化に配慮して、もちろんアルファ化されていますから、お腹が弱い犬にも安心してお試しいただけます。

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お腹の健康維持に役立つ食事療法食

ハッピードッグ VET インテスティナル (消化器ケア)

主原料 チキン、米粉、白米、ポテトフレーク、ライスプロテイン、ポルトリー脂肪、サーモンミール
保証分析値 タンパク質 26%以上、脂質 12%以上、粗繊維 2.5%以下、灰分 7.5%以下、水分 9.0%以下 代謝カロリー 363.5kcal/100g

■価格:80g/330円、1kg/3,300円、4kg/10,747円

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フォルツァ10 インテスティナルアクティブ (消化器ケア療法食) 10kg

主原料 米  フィッシュミール  魚油  海藻  ミネラル類  フラクトオリゴ糖  ビタミン類
保証分析値 タンパク質 24%以上  脂質 10.4%以上  粗繊維 2.9%以下  灰分 7.7%以下  水分 8%以下 代謝カロリー 337kcal/100g

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お腹の調子が気になる犬のための療法食にも米が使われています。お米に含まれる食物繊維が消化器系の健康維持に役立ちます。
消化器系の不調はすぐに良くなるものではありませんから、数週間はお腹の調子を見ながら与えてみるのがオススメです。

手作り食をもっと手軽に!ロングセラーのプレミックスフード

ドクターハーヴィーズ ケーナインヘルス

主原料 ロールドオーツ、大麦、ライ小麦、スペルト麦、玄米、カムート麦、スイートポテト
保証分析値 粗タンパク質 12%以上、粗脂肪 3%以上、粗繊維 5%以下、粗灰分 3%以下、水分 12%以下
AAFCO推奨カロリー計算係数 295kcal/100g

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「ケーナインヘルス」は、ホリスティックの考えに基づく画期的な「プレミックス・ドッグフード」です。
原材料には最高品質のオーガニック食材と人間用の食材のみを使用し、着色料・保存料・化学薬品は一切含みません。
多くの飼い主さんの手作り食をサポートしてきたケーナインヘルスにも玄米が使用されていました。やはり栄養面でも玄米は心強い味方。上手く取り入れて栄養管理にお役立てください。

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おわりに

今回はドッグフードの原材料という視点で「米・玄米」をチェックしていきました。いまだに犬は穀類を消化できない=お米を与えてはいけない、という誤った意見も根強いようですが、アルファ化された米であればきちんと消化吸収することができます。
それだけではなく、米や玄米には栄養面でも犬の健康維持に役立つ面がありますので、適度に取り入れてみるのがオススメですよ。